2018年6月5日
日本企業は「副業推進」とどう向き合うべきか/「働きがいあふれる」チームのつくり方無料セミナー受付中
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〔1〕前川孝雄の「人が育つ現場」相談室
今月のお題:日本企業は「副業推進」とどう向き合うべきか
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働き方改革で政府が副業を推進、一部の先進企業が続々と副業を解禁するなど、
「副業推進」が話題になっています。
今後日本企業は「副業推進」とどう向き合うべきでしょうか。
FeelWorks代表・前川が疑問にお答えします。
Q1日本企業全体で副業推進の流れは広がっていくのでしょうか。
A:過渡期の今、すぐには広がらないと思いますが、
積極的に副業を推進すべきだと考えています。
生産性向上や長時間労働の是正を求められる中、
社員が会社外でも働き長時間労働になった場合に責任の所在はどうなるのか、
情報管理やセキュリティ、コンプライアンスを懸念し、
副業に踏み込めない企業が多いと思います。
しかし、今後は企業が個人の働き方や活躍範囲を縛り付けるのでなく、
副業含む多様な働き方を推進し、企業と個人が対等な関係性を築くのが理想です。
ただし、若手の副業は安易に推進するべきではないと思います。
仕事上のネットワークを構築する、良好に目の前の仕事を進められるなど、
一人前に独り立ちする前に会社以外で仕事を始めるとどっちつかずになるからです。
日本企業には、長期間かけて人を育ててく良さがあります。
日本のメンバーシップ型雇用と欧米のジョブ型雇用の良いところを繋ぎ合わせて、
若手のうちは日本型でじっくり育て、ある程度一人前になったらプロフェッショナルとして
企業と個人が対等に働いていく、というハイブリッド型を推奨します。
Q2副業を推進することで、企業・個人にどのようなメリットがありますか。
A:企業にとってはイノベーションを起こす人材が育つこと、
個人にとっては、キャリア自律に繋がる機会になることです。
多くの企業が、時代の変化に応じて
変わっていかなければならないと考えていますが、
画一性の組織の中ではなかなかイノベーションは起きにくい。
今いる人材が外の世界で働くことで様々な刺激を受け、
新たな人脈や発想を現場に持って帰ってくる機会づくりは有効な人材育成戦略です。
また、副業は個人のキャリア自律を獲得する機会になります。
自分のキャリアを棚卸し、強みは何で社外でどう活かせるのかを考え、
たとえ少額でもお金として対価をもらうことで、
自分の市場価値を知るきっかけになるからです。
ただ注意しなければならないのは、
「副業解禁」の言葉に踊らされ、
自分がやってきた仕事やこれまで培ってきた経験と
全く違うサイドビジネスを始めること。
それではただの一時的なお小遣い稼ぎで終わってしまうのでおすすめしません。
自分のキャリアや経験値を活かし外でお役に立つ方法を模索することが、
キャリア自律に繋がっていくのです。
Q3副業を推進する上で企業・個人が気を付けるべきことはありますか。
A:企業は緊張感をもって魅力的な仕事の機会をつくること、
個人は「自分で自分のキャリアをつくる」という自律意識が求められます。
企業は、魅力的なビジョンや経営理念、仕事の機会をつくることに
緊張感をもって取り組まなければ、優秀な人ほど離れていくでしょう。
副業が推進されれば、
定年まで少々の不条理は我慢してでも1つの企業で働く昭和型モデルから、
個人が自律し1つの企業に依存しない働き方にシフトしていくからです。
今後は、企業のビジョンと個人のビジョンを丁寧に擦り合わせながら、
シンクロする点を探して仕事が成り立つ組織モデルに変化していくと思います。
その点では組織の中で、
多様なプロフェッショナルが生まれてくることが予想され、
管理職のマネジメントはもっと難しくなっていくと思います。
企業人事は、そういった近未来を見据えて、
副業を解禁する意図や目的を社員にきちんと説明しなければ現場は混乱するでしょう。
また、個人も安易に副業を始めると、ただ労働時間が増えて疲れてしまう、
どっちつかずの状況に陥るかもしれません。
「自分で自分のキャリアをつくる」「自分で自分の人生に責任をもつ」という
自律意識をもつことが大切です。
前川孝雄のブログ:https://ameblo.jp/feelworks-maekawa/entrylist.html
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【FeelWorks入社1年目 アシスタント・安部薫(24)の編集後記】
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この度は弊社メルマガをお読みいただきまして誠にありがとうございました。
企業が社員の業務や働き方を管理し、社員が企業に経営や業務を委ねる、
といった働き方から、企業と社員が対等な関係を築き働く時代になっていくのだと
感じました。個人の働き方や生き方の多様性が徐々に認められ、選択肢が増えている今、
「どう生きたいか」「どんな社会をつくっていきたいか」が個々人に問われている気がします。
「副業」1つとっても、企業と個人が良好な関係を築くためには、
まだまだ試行錯誤の時期が続くかと思いますが、弊社も出来る限りサポートしていきます。