『部下を活かすマネジメント“新作法”』

人的資本経営、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)、エンゲージメント向上、キャリア自律が求められる現代の上司の存在意義や新たな役割を説く1冊!

20の”新作法”と5社の先進企業事例で上司の悩みを解決します!

働き方や働く人たちの意識が変わり、深刻化する人材不足で人的資本経営も求められるなか、マネジメント手法も変化の時に来ています。本書は、16年にわたり400社以上の企業経営者・管理職に向けて、多様な部下を育て活かす「上司⼒®研修」を提供してきたFeelWorksを営む前川が、これからの上司に求められる「20の新作法」と「5つの先進企業事例」を解説し、マネジメントの経験知が通用しないことに悩む上司を救う1冊です。

目次

第1部 ここまで変わった! マネジメント“新作法” 20

    第1章 働き方の変化

    第2章 キャリアと育成

    第3章 上司力(部下指導)

    第4章 組織運営(チーム力)

    第5章 多様性(ダイバーシティ&インクルージョン)

    第6章 人事・賃金制度

 

第2部 人を活かす5社の企業インタビュー

   ◆ヤフー株式会社 

    ~社員の情熱と才能を解き放つことで組織も成長~

   ◆ニューホライズンコレクティブ合同会社 

    ~ミドル社員の独⽴⽀援プラットフォームを創設~

   ◆株式会社ローランズ 

    ~1⼈への配慮を社員全員への配慮につなげるマネジメント~

   ◆株式会社ノジマ

    ~社会課題解決とパーパス経営で社員が活躍~

   ◆サイボウズ株式会社 

    ~「複業」を通じた社員の⾃⽴と幸福の追求~


本書の特徴

・著者はこれまで36冊の書籍を出版し、400社・団体以上で管理職研修を提供する「上司力®」の第一人者

・「20の新作法」には、各2つずつ、合計40の現場で即使えるノウハウが詰め込まれている

・サイボウズ、ノジマ、ヤフーなど、人材育成・活躍支援の先進企業事例5社のロングインタビューを掲載

第1部

ここまで変わった! マネジメント“新作法” 20

■「20の新作法」の一例

上司の悩み

新作法

褒めて伸ばす育成は絶対か?

部下の行動を具体的に褒める。本物の優しさは厳しい愛。

困ったときはお互いさま。部下同士でフォローさせる?

仕事の精査と優先順位づけを行う。チーム内でフォローする仕事の意義づけと動機づけを明確に。

社員の構成を多様化すれば組織は変化に対応できる?

会社の理念・組織のビジョンには一枚岩になるべき。バスに乗せる人と乗せない人の見極めも必要

第2部

人を活かす5社の企業インタビュー

書籍情報

部下を活かすマネジメント〝新作法”」

著者前川 孝雄

出版社:労務行政

発売日:2023年9月21日

仕様:B6判

価格:2420円(2200円+税)

ISBN:978-4-8452-3452-3

購入方法:

◆労政時報オンラインストア  >>購入はコチラから

◆Amazon   >>購入はコチラから  


ご感想・メディア書評

同志社大学 太田肇教授

マネジメントの新常識が学べる

企業の現場で経営者や管理職の話に耳を傾けると、いまだ昭和時代の固定観念にとらわれて、若手社員の離職増加やリモートの広がりにどう対処してよいかわからず、右往左往している実態が伝わってくる。他方には生半可な欧米流の常識を鵜呑みにし、それに飛びついたものの組織や社会の骨格に合わず、負の面だけが表れているケースも多い。

本書はデータと観察に加え、著者の鋭い分析力が反映されており、マネジメントの新常識を学ぶことができる。

J-CAST 会社ウォッチ (2023年9月20日渡辺淳悦 様) 

『リモートワーク、副業解禁...これからの上司はどう対応すべきか?』

企業のミドル層である中間管理職が、どう部下に接したらいいのか苦悩しているという。本書「部下を活かすマネジメント『新作法』」(労務行政)は、マネジメントの新しい手法を解説した本だ。先進事例も豊富に紹介している。

著者の前川孝雄さんは、FeelWorks代表取締役、青山学院大学兼任講師。リクルートで「リクナビ」などの編集長を経て、2008年に創業。「上司力」研修などで、400社以上を支援。著書に「本物の『上司力』「部下全員が活躍する上司力 5つのステップ」などがある。本書は、「働き方の変化」「キャリアと育成」「上司力(部下指導)」「組織運営(チーム力)」「多様性(ダイバーシティ&インクルージョン)」「人事・賃金制度」の6つの章からなり、マネジメントの新作法を20項目挙げている。その中から、最近関心が高いと思われる項目をいくつかピックアップしよう。

►優しいだけの上司は、本気で部下に向き合っていない

〇リモートワークでは仕事がしづらい?

本書では、パソコンメーカーのレノボ・ジャパンが、2020年に世界10カ国で実施した国際調査を紹介している。「在宅勤務で生産性が低くなった」との回答では、世界平均が13%のところ、日本は40%と10カ国中、最も高かったのだ。日本では、リモートワークによって仕事の生産性が低下しがちだと認識されており、また上司は部下の働きぶりを把握できず、管理や育成がやりづらいと悩む傾向がある、と指摘している。ここから、前川さんは以下の新作法を挙げている。「責任の明確化 信じて任せた仕事の当事者は部下自身」「仕事の具体化 非言語コミュニケーションを言語化する」部下自身に目的達成に向けた目標とスケジュールを立てさせ、上司はこれを承認する。上司は、これまで以上に自分が伝えたい内容をしっかり言語化し、丁寧に具体的に語ることが求められるという。

〇副業をすると、本業に支障が出る?

政府は働き方改革の一環として副業・兼業解禁の方針を打ち出し、2018年には促進に関するガイドラインも出された。しかし、禁止する企業が半数近いというデータ(2021年に労務行政研究所が行ったアンケート)を挙げ、企業の反応は鈍いと指摘している。 一方、積極的に副業を推進する企業には、「副業は本業にとってプラスになる」という考えが定着しつつあるという。それはなぜか。副業は社員が社外の知見やノウハウに触れ、新しいアイデアや能力を開発できる機会となり、新たなイノベーションの可能性を広げるからだ。そこで、以下の新作法を示している。

「副業は社員の成長と企業のイノベーションにつながる」「社員のキャリア自律を支援する企業こそが選ばれる」

もはや企業が、社員全員に終身雇用を保障できる時代ではない。優秀な若手ほど、自らの成長を実現できる企業を選ぶ傾向があるので、「かわいい子には旅をさせよ」と説いている。

〇今どきの部下は厳しく指導するより、褒めて育てるべき?

働き方改革、パワハラ防止法で、厳しい指導がしづらい時代になった。上司はどう部下に接したらいいのか。褒めて伸ばす育て方は必ずしも万能ではない、と指摘する。「部下の行動を具体的に褒める」「本物の愛は厳しい愛」

優しいだけの上司は、本気で部下に向き合っていないというのだ。30年以上、現場から求められる上司のあり方を追求してきた、前川さんだけに、部下の指導法をさまざま具体的に提示している。

第2部では、「人を活かすマネジメント」に取り組む5社の先進事例を紹介している。たとえば、インターネットサービスを展開しているヤフー。2014年から社員がオフィス以外の好きな場所で働ける「どこでもオフィス」を導入した。それでも大きな混乱や問題は生じることなく、スムーズに対応できたという。そのポイントとして、長らく「1 on 1」という、上司と部下の1対1の面談制度を週1回行っていることを挙げている。リモートワーク下でも週に1回はオンラインも活用して、仕事の報告や打ち合わせを行い、場合によっては悩み事の相談もできるという。

同社の人材育成方針の基本には、「会社と社員はフラットで対等な、イコールパートナーである」という考え方がある。IT系の会社では、キャリアアップのための転職はごく普通なので、「ヤフーならこんな経験ができる」と思ってもらえる選択肢をいかに広げていけるか、という観点で施策を考えているそうだ。家電専門店を展開するノジマは、コロナ禍で日本航空や全日空からの出向者を受け入れ、大きな反響を呼んだ。それを実現したのは、同社の経営理念の一つ「社会に貢献する経営」を具現化した日頃のマネジメントにあったという。人件費削減のためのメーカーからの販売員派遣をよしとせず、自社社員による顧客本位の店舗営業に長けていたことで、出向者が現場で活躍できるようになった、と前川さんは評価している。具体的に同社では「マニュアルなし。顧客のためにできることを各自が考える」「ノルマなし。自分で目標を決めることが成長につながる」などに取り組んでいる。今日のマネジメント手法の発祥をたどると、1900年代初頭に米国の経営学者フレデリック・テイラーが提唱した「科学的管理法」にさかのぼる、と前川さん。この「人をモノ扱いする科学的管理手法」から決別し、上司一人ひとりが固定観念や無意識の偏見の呪縛から抜け出すようことを求めている。

株式会社通信文化新報 (2023年10月23日)

かつて、管理者になったときに上司から言われたことは「管理者は部下に指示・命令をして、きちんと守らせること」。そして先輩からは「上司の仕事は盗んで覚えろ」と言われ、教えてもらうことなどできず、見よう見まねでこうあるものと思ったものだ。そして、後輩たちにも同様に伝えて、それで後輩たちが自分と同じように育って行くものと考えていたが、いつ頃からかそれが通用しなくなっていることに気がついた。それどころか、部下が上位の役職を望もうとしなくなり、入社して研修を受けたばかりの社員が離職していくことが目立つようになっていた。戦後、日本経済は高度経済成長期を経て、1980年代まで右肩上がりに経済成長し、生活が良くなっていくことを実感することができた。「もうしばらく我慢すれば給料も上がるし、地位も上がる」と思い、入社して間もない後輩たちには「石の上にも三年」と激励していた。しかし、90年代のバブル崩壊と共に日本経済はそれまでの成長が嘘のように停滞し、いつの間にか給料が上がらないどころか、我慢しても会社も世の中もちっとも良くならないと思わせられるような時代になり、企業内の社員のモチベーションにも大きく影を落とすようになっていた。管理者にはなりたくない、上司にはなりたくない、どうせ給料がたいして上がらないなら今のままで良い、責任ある仕事には就きたくないと思わせる社会となってしまった。

 本書の著者である前川孝雄氏は2008年に株式会社FeelWorksを立ち上げ、以来一貫して組織の中での上司と部下、役職の在り方など人材に関わるテーマを中心にした研修事業を営んできている。創業当時から人を育て活かす「上司力®」を提唱、独自の研修、書籍などの実績が認められ、2022年に商標登録されており、現在も「上司力®研修」などで数多くの企業の支援を行い、好評を博している。今回の新刊「部下を活かすマネジメント〝新作法〟」は、成長する組織を作るための上司の在り方について「上司力®」の具体的な方法を示した書籍。二部構成となっている第一部では「マネジメントの新作法」について6つのテーマに分けて全体で20の疑問に対する作法が示されている。「第3章上司力(部下指導)」のテーマでは「今どきの部下は厳しく指導するより、褒めて育てるべき?」という疑問に対して、「部下の行動を具体的に褒める」「本物の優しさは厳しい愛」と作法を提示している。職場の中でハラスメント対策が義務化される中、上司からは「忙しくても残業させるのを躊躇する」「一歩踏み込んだ指導ができない」などの不満が語られる。しかし、部下は本当に「残業はしたくない」「厳しい指導はされたくない」と思っているのだろうか。部下自身は「組織に貢献したい」「認められたい」と思っているのではないか。そのような部下一人ひとりを見守ることこそ上司の役割だろう。終身雇用が約束され、我慢して働けば次第に昇進・昇給する年功序列の時代が崩壊しつつある現代に働いている今の若者は企業の安定性に不安を覚えている。このような若者の不安を払拭するには部下一人ひとりを見守り、若者のキャリア希望を受け止め、それを組織貢献できる役割に結合させ、自発的な働きを促すような役割、つまり管理職から支援職へのシフトが必要だと説く。第二部では「人を活かすマネジメント」に取り組む5社の先進事例が紹介されている。第一部で示されている「新作法」の要素について会社を挙げて具現化しているロールモデルであり、第一部の内容と読み比べることで、より具体的に理解できる構成となっている。上司の魅力、醍醐味とは何か。それは育成した部下が一皮剥けて成長した姿を体現できることではないだろうか。そのためにも上司である方、そしてこれから上司となるであろう方にも、本書で示された「新作法」により「上司力®」を高め、組織の中で働きがいのあるダイナミックな仕事の達成を実感してほしい。

『月刊ガバナンス』2023年11月号(発行者:ぎょうせい、発売日:2023年11月1日)・書評欄

働き方改革やさまざまな法整備がなされ、職場におけるこれまでの「常識」がいまや「非常識」となってしまう時代になった。この変化の中で特に苦悩しているのが、中間管理職の人だ。時代の流れによる制度的な変化のみならず、コロナ禍も相まって、組織のマネジメントのあり方を問い直すことを余儀なくされている。本書は、「上司力®」を提唱する著者が、変化の激しい時代の「キャリア」「組織」「人事・賃金」などをテーマにマネジメントの"グレーゾーン"を取り上げる。先行する民間企業の事例も紹介。まさに過渡期の今だからこそ、経験値が通用せずにモヤモヤしているところに刺さってくるノウハウが満載だ。

 

『人事マネジメント』2023年12月号・HR BOOKSHELF 書評 

自分たちの経験してきた部下管理のやり方が通用しない状況に戸惑う部課長を対象に、解決にヒントを示してくれる1冊。①働き方の変化、②キャリアと育成、③上司力(部下指導)、④組織運営(チーム力)、⑤多様性(DE&I)、⑥人事・賃金制度の6章・計20に及ぶ"新作法"を解説している。例えば、リモートワークで生産性が懸念されるという課題には、性悪説で監視を強めるのではなく、部下を信じて任せ、自律的な創意工夫を引き出す働きかけを提案。世代感覚の違う若手に向き合うときには、一旦相手の言い分を受け入れ、価値観の違いを知り、そのうえで管理者自身の在り方を定めて、接し方を変えてはどうかと、独自のコミュニケーションサイクルを図解しながら説き起こす。また、働かないおじさん問題では、当事者意識が芽生えれば人は変わるとも述べ、持ち味の活かし方を探っている、いずれもお手軽なTIPSというわけではなく、時代の潮目を俯瞰し、理論的かつ人の可能性を信じる熱量の伴った考察で一貫しているので、読み応えは十分だ。

2023年12月12日(火)新刊出版記念セミナー開催

 「上司力」提唱の第一人者による新刊出版記念セミナー    

『部下を活かすマネジメント“新作法”』 ~人材不足をチャンスに変えよう!~ 

 

日時:2023年12月12日(火)13:00~16:00

場所:オンライン (ZOOM開催)

著者

株式会社FeelWorks代表取締役/青山学院大学兼任講師

を育て活かす「上司力®」提唱の第一人者。1966年兵庫県明石市生まれ。大阪府立大学(現大阪公立大学)、早稲田大学ビジネススクール卒。リクルートで「リクナビ」「ケイコとマナブ」「就職ジャーナル」などの編集長を経て2008年に(株)FeelWorks創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、研修事業と出版事業を営む。「上司力®研修」、「50代からの働き方研修」、「ドラマで学ぶ『社会人のビジネスマインド』」、eラーニング「パワハラ予防講座」「新入社員の『はたらく心得』」などで400社以上を支援。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年に(株)働きがい創造研究所設立。情報経営イノベーション専門職大学客員教授、(一社)企業研究会 研究協力委員サポーター、(一社)ウーマンエンパワー協会理事なども兼職。著書は、『部下を活かすマネジメント“新作法』(労務行政)、『部下全員が活躍する上司力 5つのステップ』(FeelWorks)、『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks)、『本物の「上司力」』(大和出版)、『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『ダイバーシティの教科書』(総合法令出版)、『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)、『50歳からの幸せな独立戦略』(PHP研究所)、『50歳からの人生が変わる 痛快!「学び」戦略』(PHP研究所)など約40冊。30年以上一貫して働く現場から求められる上司、経営のあり方を探求しており、人的資本経営、ダイバーシティマネジメント、リーダーシップ、キャリア支援に詳しい。