2019年1月28日

働き方改革法案いよいよ施行へ!~高度プロフェッショナル人材を考える~/ 結果にこだわる一流営業マンのための、顧客心理学セミナー!

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〔1〕前川孝雄の「人が育つ現場」相談室 

今月のお題:働き方改革法案いよいよ施行へ!

~高度プロフェッショナル人材を考える~

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働き方改革関連法案で注目を集めていた「高度プロフェッショナル制度」

がいよいよ今年の4月に導入されます。

「年収1075万円以上」「研究開発や金融商品のディーラーなど5業務」

と対象が限られているものの、将来的に対象者や対象業務が広がる可能性もあります。

日本企業、ビジネスパーソンは法案施行に伴い、

どのように「働き方」を考えていけばよいでしょうか。

代表・前川がお答えします。

 

Q1:対象者が限定的ですが、今後企業や個人の働き方にどのように影響するのでしょうか

A:賛否両論の議論が続いており、本格的な導入には時間がかかるでしょう。

 

4月に施行される「高度プロフェッショナル制度」ですが、

有識者や専門家の間でも賛否両論に分かれています。

日経新聞朝刊「生産性の視点欠く『脱時間給』の制度設計」(2019/1/8)で、

「年収1000万円超の人でも民間企業で働く人の4.5%にすぎない。

柔軟に働ける新制度を活用できる人が当初の想定よりもさらに少なくなるのは問題だ。」

と該当者がさらに限定的になることを指摘しています。

労働政策審議会が、高度プロフェッショナル制度の対象者となる

年収「1075万円以上」には、成果や業績に連動する賞与を含まない方向だからです。

一方、労働団体などから、「残業代ゼロ法案」と揶揄されるなど、

残業時間の規制がなくなるのではないか、過労死を助長するのではないか、

労働者が法の保護から外れるといった指摘もされています。

私は、働き方改革の本丸は「働きがい」の創出だと思っています。

現時点では、長時間労働の是正や残業時間の削減など「環境整備」に

重点が置かれていますが、環境整備による「働きやすさ」では

人は成長実感を得ることが出来ません。

将来的には、「高度プロフェッショナル制度」のように個人が自己裁量で柔軟に働き、

成果にコミットすることで、「働きがい」が生まれるのではないでしょうか。

しかし、近年は企業と個人が対等に近づいてはいるものの

まだまだ企業側にパワーあるのが現状で、

一様に「高度プロフェッショナル制度」を取り入れるのも難しいと感じています。

 

Q2:企業と個人が双方にとって良い形で運用されるにはどうすれば良いでしょうか。

A: 本当の意味で個人が力をつけていくことだと思います。

 

現在、企業が強く個人が弱いという力関係は依然として根強く残っていますが、

個人が本当の意味で力をつけることが出来れば、企業は自ずと社員を大事にします。

端的に言うと、「会社を辞めても食っていける人材になること」が

本当のプロフェッショナルになることだと思います。

実際に皆が会社を辞めなくても良いですが、辞めざるを得なくなっても食っていける、

自分の足で立っていけると自信をもてる働き方が出来ているかどうか。

そういった緊張感をもって働くことで初めて本当のプロになれるのです。

「働きやすさ」だけ充実させていくと、権利だけ主張するようになる危険もあります。

例えば、一部の若手の「休むのは権利であり、残業させられるのは嫌だ」

という主張に対し違和感を感じている人事の方もいます。

もちろん休むべき時に休むことは大切ですが、若手の段階は、

「トレーニングしながら給料もらって働かせてもらっていることに感謝し、

力をつけて給料以上の働きをしよう。」と権利を行使する代わりに、

プロを目指し働くという意識をもつことが必要です。

逆に中高年の場合は、年功型で給与が上がっているが、

給与に見合った働きが出来ているのか見直す必要があります。

給与に見合った働きが出来ているか、何を学んでどういった力をつけるべきか、

個々人で考え力をつけるべきです。今後は、一人一人がプロフェッショナルになり

自律的に自己裁量で働くことが出来るよう、

企業側もサポートしていくことが重要だと思います。

 

Q3:個人が自律的に働くために企業が出来ることは?

A:社員が自身の市場価値を意識しながら働く機会やきっかけを与えましょう。

 

私は、若手のうちは日本のメンバーシップ型雇用でじっくり育て、

一人前になったら欧米のジョブ型雇用のプロフェッショナルとして働く

ハイブリッド型雇用が理想的だと考えています。

そうしたプロフェッショナルとして働くには、

個人が自分の市場価値を認識しながら働くことが大切だと感じます。若い世代の間に、

「会社に依存せず自分でキャリアをつくる」という意識が広がっていますが、

この流れを自己中心的にならないよう注意しながら支援していくと良いでしょう。

頭では分かっていても、未だに日本の年功序列や終身雇用の幻想を

抱いている人は少なくないでしょう。

厳しい言い方をすれば、「自分のキャリアは会社が何とかしてくれるだろう」と

会社に依存してしまっている状況です。

具体的には、企業側が、本人の自己裁量で働いてもらう機会や

自身の市場価値を知る機会をつくることです。

最近は副業解禁やコワーキングスペースの利用など働き方の多様化が進んでいます。

そういった機会を活用し、社員自身が他流試合の中で

市場価値を意識出来るような機会をつくりましょう。

例えば、いざ個人で副業を始めてみると、「思っていたより稼げないな」など

自分の市場価値が分かると思います。他の会社の人の働き方を知れば、

刺激を受けるでしょう。自分がきちんとと仕事ができる人材になっているか、

結果を出せる人材になっているか、緊張感をもって働けるようなサポートをしましょう。

 

前川孝雄のブログ→https://amba.to/2vlOxBh

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【FeelWorks入社2年目 アシスタント・安部薫(25)の編集後記】

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この度は弊社メルマガをお読みいただきまして誠にありがとうございました。

今後は誰もが「自律的な働き方」を求められるのかもしれませんね。

「自分の市場価値を知る」と聞くとドキドキしてしまいますが、

今は勉強会やコミュニティなど人と出会う手段は沢山あるので、

軽い気持ちで一歩外に出てみるのも良いと思いました。

「みんなもキャリアに悩んでいるな」という普遍的な部分が分かり安心したり

「自分はこういう部分を伸ばそう」と刺激を得たり、

漠然とした不安や選択肢が少しクリアになるかもしれません。

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