2018年10月18日
"だぶつく"シニア社員がいきいきと働くには?/【無料セミナー】新入社員定着・働きがい・研修の創り方
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〔1〕前川孝雄の「人が育つ現場」相談室
今月のお題:"だぶつく"シニア社員がいきいきと働くには?
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65~70歳定年が視野に入ってきた昨今、大企業の間で、
雇用形態や役割が変化しシニア社員のモチベーションが下がっている、
シニア社員がだぶついている、といった課題が上がっています。
シニア社員にいきいきと働いてもらうにはどうしたら良いのでしょうか。
代表・前川がお答えします。
Q1:シニア社員が"だぶついている"と言われているのは何故でしょうか。
A:企業の人材登用や人材活躍支援の考え方が変化していないからです。
現在、大手企業に雇用される50代は、
大量に採用された「バブル期入社」と言われています。
過去最高の求人倍率2.86倍を記録した1991年に入社した世代が、
ちょうど今50代前半に差し掛かっています。
大企業で比率が多いのは事実ですが、
50代以降のシニア層を一概に"だぶついている"とは言うのは乱暴ではないでしょうか。
むしろ、企業の人材登用や人材活躍支援の考え方が時代の変化に追いついてない、
というのが一番の理由だと思います。今の労働市場を考えると
「年功序列のピラミッド組織の中で若い労働力に頼り、若手を修行させ
30代に活躍してもらう」という旧来の仕組みは成り立たなくなっています。
20代でも保守的な人はいるし、60代で夢を語る人もいます。
気力や意欲が充実し、これまで学んできた常識や経験値を疑い、
新しいにチャレンジしていこう、
そんな人材であれば年齢に関係なく登用していくべきでしょう。
Q2:企業はどのように変化していくべきでしょうか。
A:シニア世代への役割付与など、チャレンジ出来る出口を用意しましょう。
現在、会社内で役割を与えられていない
「社内失業」状態の人が465万人もいると言われており、
雇用者の約10人に1人は力が有り余っている計算になります。
実際に、社内で役割を与えられず、家にも居場所がなく、
定時の17時に退社しても2時間どこかで時間を潰してから自宅に帰る、
といった生活を送っている人を知っています。
つまり、「人材不足」と言いながら
50代以降の社員を活用しきれていない現状があるのです。
シニア世代は、健康面への不安や、ITツールが使いこなせないなど、
若手とは異なる側面があるかもしれませんが、何かしら出来る仕事があるはずです。
本当の意味での多様な人材の活躍を目指すなら、シニア世代の想いを吸い上げる、
本人が経営層に提案できるような仕組みを作る、など工夫が必要です。
私たちが相談を受けている会社の中では、
「シニア層の役割や仕事の内容は変えられないが、モチベーションを上げてほしい」
という要望をもらうことがあります。20代30代なら、
仕事の捉え方や見方を変えることでモチベーションを上げることも出来ますが、
50代に対して、それだけでは難しいでしょう。
新しい役割を与えるなど、チャレンジ出来る出口が必要です。
Q3:シニア世代の個々人はどのように向き合えば良いでしょうか。
A:「キャリア・リデザイン」をしてみましょう。
大企業で働いているシニア世代の多くは、
職場と家庭に居場所が限定されることが多いです。
いわゆるサードプレイスを持っていないケースが多い。
ずっと同じ環境に居続けると他責思考や、学習性無力感に陥りがちです。
一度社外に出てみることで、実は恵まれた環境にいたことに気付けたり、
自身のキャリアや働き方に対する健全な危機感を醸成することが出来ます。
知り合いの転職エージェントよると、日本の大企業で働いているサラリーマンは
アジアの新興企業などでは重宝されるケースが多いそうです。
ただ実際は、年収600万から700万円の大企業のサラリーマンに、
年収をアップすると提示しても断られるケースがあるとか。
「アジアの中で日本が進んでいる」という昔の感覚が残っていることや、
不満を抱えながらも今の居場所が居心地が良いからでしょう。
積極的に外に出て、自分にあるものを再活用しながら意識変革していく、
キャリアデザインをもう一度見直す、そういった姿勢が大切です。
キーワードは「キャリア・リデザイン」です。
前川孝雄のブログ→https://amba.to/2vlOxBh
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この度は弊社メルマガをお読みいただきまして誠にありがとうございました。
企業としては、シニア世代の方々を一概に"だぶついてる"とするのではなく、
いかに役割や機会をつくり力を引き出すかが重要なのだと感じました。
個人としては、人生100年時代と言われる今、
年齢に捉われずに自己を表現したり、チャレンジし続けることが
自身のキャリアを豊にしていくのだと思います。日本社会では、
「いい歳してそんなこと…」といったバイアスが付きまといますが、
年齢という枠を越えて個人を尊重し、
お互いを応援できる寛容な社会にしていきたいですね。