第24回 有限会社あきゅらいず

お客様からの支持で人事評価!出社日、勤務時間など働き方は自由に!

人を大切にしながら成果を追う「会社は実験室」(中編)

『美しさを容(かたち)づくるのではなく、美を養うことからはじめよう』をコンセプトに、素材にこだわったスキンケア商品などの企画・開発、通信販売を手掛ける。オフィスは東京都三鷹市。代表取締役の南沢典子氏が化粧品会社に勤務していた当時、より顧客のニーズに沿った商品を作りたいとの思いでスキンケア商品の企画室を立ち上げたのが同社のルーツ。2003年に独立し、有限会社あきゅらいず美養品を創業。質の高い商品と顧客志向のサービスが反響を呼び、全国にファンを増やしていった。働き方改革にも積極的に取り組み、「平成24年度 関東地域における人材戦略ベストプラクティス集~女性の活躍により飛躍する企業~」(関東経済産業局)にも選ばれている。UBU(うぶ)グループとしてほかに5社を擁し、アロマオイルや洗剤の開発・販売、里山保護などの事業も展開。社員数はあきゅらいずが48人、グループ全体で111人(2017年3月現在)。

◇ 社員に求めるのは「プロフェッショナルであること」

現在の制度では、給与が評価に見合った水準に達していなければ、給与ダウンを提示する。その点は厳しい。ただし、社員の成長を促すことが目的なので、ダウンが見込まれる社員には半年前に伝え、その間に努力と改善を求めるという。このように、制度そのものは目まぐるしく変わっているが、目指しているところは一貫している。同社は、あくまでも社員にプロであることを求め、社員の成長段階に応じた適切な評価方法を追求しているのだ。

 

この考え方がわかりやすく表れているのが、会報誌などの制作を手掛けるUBUグループの1社mimaの組織形態だ。同社に在籍するのはプロデューサー、ディレクターなどのプロフェッショナルばかり。mimaに籍は置いているが、一人ひとりが個人事業主で、毎月、請求書を発行して報酬を受け取る。mimaの業務は、UBUグループの仕事が8割を占めているが、残りは外部の案件も手掛けているという。もちろんプロ集団だからこそできることだが、mimaでは、『自立・自律・自率』が理想的なかたちで実践されているといえる。

 

「mimaで修行したいあきゅらいずの社員は、手を挙げれば移ることができます。最初の2年間は社員としてお給料を保証しますが、そのあとは独立してくださいというのが条件。今まで数人がチャレンジしましたが、みんな『やっぱり無理です…』と戻ってきちゃいました。プロ集団は厳しいですからね。でも、お金を稼ぐことの大変さはみんな実感できたと思います」

 

あきゅらいずは、一時期新卒採用を実施していたが、今はストップしている。その理由を、南沢社長の右腕であるmima代表の松本毅史氏(写真右)は次のように説明する。

 

「あきゅらいずの環境についてこれなくて辞めてしまう人が多いんです。新人にも仕事を任せますし、成果を求めますから。手取り足取り教えることもしないので、『放っておかれているのに、成果は厳しく問われるなんて…』と感じてしまうようです」

 

自分が何を成し遂げたいかが自分で理解できていない人にとっては、あきゅらいずの自由さは確かに厳しい。何をすればいいかがわからず、自分を見失ってしまうからだ。また、同じく社長の右腕の一人であるあきゅらいず取締役の金光広樹氏(写真左)は、辞めてしまう人の典型例を次のように語る。

 

「採用面接ではお互いを理解できるよう、決して圧をかけたりせずフラットな関係で話をするんですが、新卒・中途問わず面接中に泣いてしまう人が結構いるんです。面接がキャリアカウンセリングのようになってしまっていたんですね。そして、面接で泣いた人は高確率で辞めてしまう。これは採用の方法を考えなくてはいけないなと」

◇ 自由な環境は自己成長を促す。大切なのは人と環境の合致

一方で、あきゅらいずの自由な環境にフィットした人はの成長度は高いという。

「自分に厳しく、自分をコントロールできる人、言い換えれば、プロフェッショナルの域に達したいと考えている人、もしくはすでにプロフェッショナルである人にとっては、すごく良い環境だと考えています」(松本氏)

「また、子育て中の女性など、自分のライフスタイルが固まっている人は、当社の柔軟な制度をうまく活用して働いていますね。自分の軸をもっていることが大切なんだと思います」(金光氏)

同社が、試行錯誤を経て得た結論の一つは、この自由な環境自体は間違っていないということ。そのため、目下の課題は採用時のマッチングだ。同社の環境に合致する人材をいかに見極めて採用するか。現在は入社前にお互いの理解を深めるため、トライアルとしてインターン制度を採り入れ、一定の手応えを得ているという。

「『人を育てる』と考えること自体がおこがましいのかなと感じているんです。環境さえ合致すれば、成長する人は勝手に自己成長します。それができる環境があきゅらいずにはある。しかし、土壌に合わず芽が出ない種をいくら蒔いても畑はできません。むしろ大切なのは芽が出たあとです。今はこの考え方に基づいて制度設計を進めています」(松本氏)

どんな企業にもいえることではあるが、特にベンチャー企業の場合、創業経営者の個人力だけで会社が成長できた時期を過ぎ、次のステージに進む際には「人の力」が重要になる。人の成長を促すためにはそのための仕組みや環境を柔軟に作り替えていかなければならない。

あきゅらいず経営陣の合い言葉は「会社は実験室」。この考え方は社員にもしっかり伝えているという。「人を大切にする」と「成果を求める」を両立させるために、組織や制度は次々に変化を続けるが、常に課題をとらえ、分析し、より良い方法を追求し続けるそのスタンスには一切の迷いやブレはない。

~後編へ続く~

構成/伊藤敬太郎


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